●海産物の鮮度など日本の食文化を支える中央卸売市場──いま直面する課題とは
神奈川県横浜市にある横浜中央卸売市場で、高校生たちが参加する「市場の学校」というプロジェクトが行われています。
流通の重要拠点である「中央卸売市場」は、日本の食文化の中で大きな役割を担っています。日本の水産物流通は、世界一の鮮度を保ちながら消費者に届けることができる優れたシステムであり、日々、私たちが新鮮な水産物を味わうことができるのも、この市場を中心とした仕組みが支えています。しかし、近年は市場を支える仲卸業者の高齢化や後継者不足など、さまざまな課題を抱えています。
●高校生が課題に挑む「市場の学校」──海鮮キムチ開発で市場の魅力を発信
市場の学校は、神奈川県内の高校生が仲卸業者と連携し、こうした課題に取り組むフィールドワーク型のプロジェクトで、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として行われています。高校生たちは、商品開発・PR・サービスの3チームに分かれて活動。Instagram(https://www.instagram.com/ichibanogakkou_pr/)で横浜市場の魅力を発信するなど、さまざまな活動に取り組んでいます。この日は、ほかチームから手伝いに加わった高校生も参加して、商品開発チームが取り組んでいるキムチづくりの仕上げの作業。商品開発チームのリーダー・重田華奈さんが「横浜市場を盛り上げるために、新しい商品をつくって盛り上げようと」と意気込んでつくっているのは、海鮮キムチ。さまざまな食材をキムチにして販売している「福耳キムチ」とコラボレーションして取り組んでいます。そのキムチには、重田さんが「横浜市場で取り扱われているものや神奈川県でとれる魚を使って、実際にキムチ醤に漬けて試食して、どれが合うかなと考えて決めました」と語ったように、タコ・イカに加え、アジも入っています。さらに、食感と味をまとめるメカブを加え「浜っこキムチ」が完成。プロジェクトの中間発表会で市場の関係者に試食してもらうなど、試行錯誤を重ねてつくった力作です。試食してみると味も大満足の出来栄えだった様子。今後は、市場内の店舗で販売してもらえるように、高校生たちが直接売り込みに行く計画です。
●高校生のアイデアが市場の未来を切り拓く
市場を盛り上げようと本気で取り組む高校生たちに、まわりの大人たちも期待しています。キムチづくりをサポートした福耳キムチの内藤加恵さんは「料理人でも敷居が高い市場に高校生が入り、今までになかった切り口だと思う」と話しています。また、仲卸業を営む金一・坪倉商店の代表取締役で、「市場の学校」代表理事の坪倉良和さんも「若い力がみんなで『市場ってスゴイことやっているけど、こうやってみるのもいいんじゃないですか』とか、『こういうことをやっていきましょう』と提案していくと、変わる要素はたくさんあると思う。ひとつの改革の切り口になると思う」と期待を込めて語ります。
PRチームのリーダー・岩城亜優さんは「このプロジェクトを通して、多様な方々と関わることができました。そういったことができるのも市場の魅力だと思うので、そこも学びになりました」と振り返っています。
高校生たちの柔軟なアイデアと行動力が、日本の市場に新たな風を呼び込んでいます。





