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<p>「海のそなえプロジェクト」が2024年の夏から始動。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、日本ライフセービング協会、日本水難救済会、うみらい環境財団がコンソーシアムを形成し、海のそなえの新しい常識の浸透を目標にさまざまな活動を展開しています。中でも関心を呼んでいるのが、VRを使った「溺れ体験」のコンテンツです。そこで、ソーシャル・イノベーション・ニュース編集部の津田明日香が、中央大学へと取材に行きました。 </p>
<p>迎えてくれたのは、中央大学 研究開発機構の機構教授・石川仁憲（いしかわ としのり）さんです。石川さんは日本ライフセービング協会の理事でもあり、海のそなえプロジェクトにも参加。「溺れを体験できるVRコンテンツ」は、日本ライフセービング協会と中央大学が共同開発したもので、豊富な海の現場経験と最先端の研究が融合して生まれました。まずは、石川さんが一次元動画で「これは今、ビーチを歩いている状況。VRゴーグルを着用していれば、右を見たり左を見たり下を見たりと自由に見ることができます」というようにコンテンツの概要を紹介。水難事故は思いも寄らない場面で遭遇することもあるため、VRでは「堤防を歩きながらよそ見をした瞬間に落水する」という場面を再現したのだそうです。その後、早速VRを体験。堤防の場面で首を振りながら「左右に海が広がっています。船があります」と感想を話していた次の瞬間、落水。いよいよ溺れの体験です。ここで石川さんから「水の中にいる時は無理をしない程度に息を止めてもらって、水から外に顔が出た時には息を吸ってください」と説明がありました。言われた通りに息を止めていると、「怖い、苦しい」といった本当に溺れているかのような感覚となり、ひとたび溺れてしまうと、人は水に対してほとんど無力であることを実感します。そして、最後にもうひとつ仕掛けがありました。浮きあがれずに沈んでいく映像に合わせて、リクライニングシートの背もたれが傾きます。これによって沈んでいく感覚を再現しているのです。 </p>
<p>この溺れを疑似体験できるVRコンテンツについて、石川さんは「溺れの経験がある人は、溺れの経験がない人に比べて、日ごろの行動、知識・技能がどう違うのかについて比較しました。その結果、溺れの経験がある人の方が、さまざまな“そなえ”を主体的に行っていました」と開発したキッカケを語っています。その比較が、「海のそなえプロジェクト」の一環として行った水難事故に関する1万人規模の調査です。調査の結果、溺れた経験のある人の方が、「水面に浮いていられる能力が高い」、「ライフジャケットを購入した経験がある」と回答していて、水辺のそなえを実行していました。石川さんは「安全上の面から溺れの経験を実際に体験するのは難しい。それの疑似体験ということで、VRを活用して溺れの体験をしてもらうことがねらいです」とVRの目的について話しています。開発にあたっては、さまざまな試行錯誤があったそうで、携わった中央大学の大学院生・藤田直也さんは「溺れている時には泡が出ます。そこで、管をつないでタイミング良く泡を出すことで、臨場感のある映像を撮影できるようにこだわりました」と振り返っています。このように、溺れを疑似体験できるVRコンテンツは、石川さんや大学院生、元東京消防庁水難救助隊隊長で現在は日本ライフセービング協会の救助救命副本部長の菊地太さん達が、工夫に工夫を重ねて完成させました。今後は、離岸流や風に流されるパターン、さらには、海を楽しめるコンテンツなども海のそなえプロジェクトの活動の中で制作していく予定だそうです。 </p>
<p>このVRコンテンツ制作など、さまざまな活動を行っている「海のそなえプロジェクト」では、3カ年計画で「海のそなえ」の新しい常識の浸透を図ることを目標にしています。石川さんは「多くの国民の方に、適切な“知識”をつけてもらい、そして“技能”を身につけてもらい、最後は“行動”を変えていくというこのステップの中で、3年後には確実に日本の水難事故が減っていくようにしたいと考えています」と今後の展望を語っています。</p>
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<p>迎えてくれたのは、中央大学 研究開発機構の機構教授・石川仁憲（いしかわ としのり）さんです。石川さんは日本ライフセービング協会の理事でもあり、海のそなえプロジェクトにも参加。「溺れを体験できるVRコンテンツ」は、日本ライフセービング協会と中央大学が共同開発したもので、豊富な海の現場経験と最先端の研究が融合して生まれました。まずは、石川さんが一次元動画で「これは今、ビーチを歩いている状況。VRゴーグルを着用していれば、右を見たり左を見たり下を見たりと自由に見ることができます」というようにコンテンツの概要を紹介。水難事故は思いも寄らない場面で遭遇することもあるため、VRでは「堤防を歩きながらよそ見をした瞬間に落水する」という場面を再現したのだそうです。その後、早速VRを体験。堤防の場面で首を振りながら「左右に海が広がっています。船があります」と感想を話していた次の瞬間、落水。いよいよ溺れの体験です。ここで石川さんから「水の中にいる時は無理をしない程度に息を止めてもらって、水から外に顔が出た時には息を吸ってください」と説明がありました。言われた通りに息を止めていると、「怖い、苦しい」といった本当に溺れているかのような感覚となり、ひとたび溺れてしまうと、人は水に対してほとんど無力であることを実感します。そして、最後にもうひとつ仕掛けがありました。浮きあがれずに沈んでいく映像に合わせて、リクライニングシートの背もたれが傾きます。これによって沈んでいく感覚を再現しているのです。 </p>
<p>この溺れを疑似体験できるVRコンテンツについて、石川さんは「溺れの経験がある人は、溺れの経験がない人に比べて、日ごろの行動、知識・技能がどう違うのかについて比較しました。その結果、溺れの経験がある人の方が、さまざまな“そなえ”を主体的に行っていました」と開発したキッカケを語っています。その比較が、「海のそなえプロジェクト」の一環として行った水難事故に関する1万人規模の調査です。調査の結果、溺れた経験のある人の方が、「水面に浮いていられる能力が高い」、「ライフジャケットを購入した経験がある」と回答していて、水辺のそなえを実行していました。石川さんは「安全上の面から溺れの経験を実際に体験するのは難しい。それの疑似体験ということで、VRを活用して溺れの体験をしてもらうことがねらいです」とVRの目的について話しています。開発にあたっては、さまざまな試行錯誤があったそうで、携わった中央大学の大学院生・藤田直也さんは「溺れている時には泡が出ます。そこで、管をつないでタイミング良く泡を出すことで、臨場感のある映像を撮影できるようにこだわりました」と振り返っています。このように、溺れを疑似体験できるVRコンテンツは、石川さんや大学院生、元東京消防庁水難救助隊隊長で現在は日本ライフセービング協会の救助救命副本部長の菊地太さん達が、工夫に工夫を重ねて完成させました。今後は、離岸流や風に流されるパターン、さらには、海を楽しめるコンテンツなども海のそなえプロジェクトの活動の中で制作していく予定だそうです。 </p>
<p>このVRコンテンツ制作など、さまざまな活動を行っている「海のそなえプロジェクト」では、3カ年計画で「海のそなえ」の新しい常識の浸透を図ることを目標にしています。石川さんは「多くの国民の方に、適切な“知識”をつけてもらい、そして“技能”を身につけてもらい、最後は“行動”を変えていくというこのステップの中で、3年後には確実に日本の水難事故が減っていくようにしたいと考えています」と今後の展望を語っています。</p>
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